3-7

草むらのあるところに戻ると、

私はさっそくアイスクリームをスプーンで食べ始めた。

紗奈
あ、おいしい!なんか昔より更においしくなってる気がするー

カナト
紗奈ちゃんはほんと、いつもおいしそうに食べるね

そういうとカナトさんは、にこっとほほ笑んだ。

紗奈
えへへ…

紗奈
あーおいしかった。幸せー

カナト
よかったね

食べ終わってゆっくりしていると

そこにふわっと風が吹いた。

紗奈
(あ、気持ちいい…)

ふとカナトさんの方をみると、草むらの上で横になり、目をつぶっていた。

紗奈
(あれ?もしかして、寝ちゃった?…仕事で疲れてるのかな…?)

私はカナトさんの方に少し近づいた。

するとカナトさんは目をパチッと開けた。

カナト
…紗奈ちゃん…?

カナト
…どうしたの…?

ちょっと赤くなるカナトさん。

紗奈
え、そ、その、カナトさん寝ちゃったのかと思って…

カナト
いや、寝てないよ

カナトさんは優しく微笑んだ。

紗奈
…う、うん…

紗奈
私も、寝ころんじゃおうかな…

カナト
…うん

その言葉を聞き、私はその場にころんと横になった。

紗奈
あ、草むら気持ちいい…

心地いい気温にウトウトとなる。

カナト
……

カナト
なんだか、紗奈ちゃんといると、落ち着くな…

紗奈
……

カナトさんの言葉に、私の頬は熱くなった。

紗奈
…そういえば、カナトさんと初めてあったのは、冬だったから、こんな風に外でゆっくりすることはなかったね

カナト
冬…

カナト
…冬…か

カナト
……そうだね

ふっと会話が途切れると、私はそっと目をつぶった。

紗奈
(あ…日当たりのいい草のにおいがする…)

紗奈
(ぽかぽかあたたかくて…なんだか安らぐ…)

紗奈
(…すやすや…)

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