男
お前はなんだ。どうして生きている…?
男
確かにこの手で殺したと思ったが…
紗奈
……
男
…答えないか
男
まあいい
男
最初はさすがに驚いたが、ただの人間のようだしな。大方、姉妹か双子かというところだろう
紗奈
(パラレルワールドの私を殺したのは、こいつ…?)
紗奈
(私の顔をみて、驚いて、何者かを調べる為に、わざと私をここまで運んだの…?)
紗奈
…あなたは…誰…?
男
……なるほど
男
その様子だと、俺が殺したということは、特につかんでいなかったようだな
男
…かわいそうだが、君にはここで死んでもらうよ
もう一度ナイフをかまえる男。
紗奈
(…殺される…。…どうすることもできない…)
紗奈
(こわい…こわいよ…)
紗奈
(助けて…)
紗奈
(助けて…りっちゃん…!!)
”ガシャーン”…
そこにガラスの割れる激しい音が鳴り響いた。
男
なんだ!?
っと男の声。
…私はいつのまにか固く閉じていた目を開いた。
倉庫…らしき場所の天窓のガラスが派手に割れ、
そこから何者かが入ってきたようだ。
明かりといえば月明かりとランタンのみ。
その薄暗い明かりに照らし出された人物は…。
紗奈
…えっ!?りっちゃん!?
なんと、そこには、りっちゃんが立っていた…。