紗奈
(ところで一体ここはどこ?)
周りを見渡してみる私。
紗奈
(あれ…ここ、京都…?私、この場所、知ってる…)
そう、ここは京都の町が見渡せる高台だった。
紗奈
カナトさんは、どうしてここに…?
カナト
ん…なんとなくふらふらと…
カナト
…紗奈ちゃんは…?
紗奈
(悪魔の力を借りて、あなたに会いに来ました…。とは言えないよね…)
紗奈
わ、私も…なんとなく気が向いて…
カナト
そう…
カナト
ここ…風が気持ちよくて、好きなんだ
紗奈
わ、私も、今それ言おうと思ってた…
カナト
そっか
紗奈
こんなところを知ってるなんて、もしかしてカナトさんって、結構京都、詳しい…?
カナト
ん、紗奈ちゃんほどじゃないと思うけど。俺…しばらくこの辺にいたことがあるから…
紗奈
そうなんだ…
そこでふっと会話が途切れる。
紗奈
(なんだろう、この気持ち…)
紗奈
(私、やっぱりカナトさんといると、なんだかドキドキして落ち着かないっていうか…)