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ふらっと倒れるパラレル紗奈。

パラ紗奈
う、ごほっ…

ラビス
あらら…これは…

ラビス
ざっくり、決まっちゃったかな…

ラビスが言う。

立てないパラレル紗奈。

紗奈
……

パラ紗奈
……

パラ紗奈
そ…んなこと分かってるよ…

パラ紗奈
もう一度…一目でいいから…会いたかっただけだよ…ごほっ…

パラ紗奈
好きだった…愛してた…もう一度…声聞きたかった…

パラ紗奈
うっうっ

紗奈
……

ラビス
ねえ紗奈ちゃん

ラビス
別にここの世界の律と仲良くなったっていいんだよ。パラレルワールドの律って言ったって全然別人ってわけじゃないからさ

ラビス
パラレルワールドの人達はどこかで”その人達本人”と繋がってるんだ。だからね、大丈夫だよ紗奈ちゃん。これからここの世界の律と思い出作ろ♪

カナト
そんなことはさせない…!

カナトさんは四角の物体を破りラビスを攻撃した。

紗奈
カナトさん…!!

紗奈
(髪の毛の色が…変わってる…)

ラビス
へえ…その結界を破れる人間って実はあんまりいないんだよ。すごいね

ラビス
…めんどくさいけど、邪魔されたくないから、君から先に、片付けることにするね♪

カナトさんとラビスが戦う。

…ラビスの方が強い。
カナトさんはラビスに鋭い攻撃を受け、

海の方へと蹴り落された。

紗奈
カナトさん…!!

ラビス
あは、あは、おっかしーっ

ラビス
それじゃ対決の続きやろっか?

紗奈
やだ、やだ…カナトさん…!!

ラビス
…ん、それとも、あいつと同じとこにいく…?

ラビスは私をふわっと抱きしめると
宙に浮いた。

下は真冬の海。

ラビス
クスクス。ね、僕が手を放したら、どうなると思う?

ラビス
ほら、僕にもっとしっかりつかまらなきゃ…おちちゃうよ…?

紗奈
(や…)

カナト
なめるなよ…

ラビスを吹っ飛ばすカナトさん。

私は気が付くと…カナトさんの腕の中にいた。

紗奈
(…テレポート…?)

ラビス
ぐっ…なん…だと…

パラ紗奈
ラビくん…!!

パラレル紗奈が叫ぶ。

カナトさんは私を地面におろすと、

再びラビスと戦う。

ラビス
…くそ…貴様…力をセーブしてたな…?

ラビス
油断…した…

ラビス
ごほっごほっ…

地面のあるところまで戻ってくるラビ。

パラ紗奈
ラビくん…大丈夫!?

パラレル紗奈が叫ぶ。

ラビス
く…そ…。パワーが出し切れない…

ラビス
紗奈ちゃん、もしかしてもうこの世界への執着、失くしてない…?

パラ紗奈
……

パラレル紗奈は無言のままラビから視線を外した。

ラビス
はぁ…もうちょっと欲望に忠実かと思ったけど…これは困ったね

パラ紗奈
……

カナト
…この世界では、お前たち悪魔は、契約者からパワーを引き出すしかないからな…

カナト
残念だったな。…大人しく魔界に帰ってもらうぞ

カナトさんが謎の呪文を唱える。

ラビス
ぐっ…くそ

ラビス
はぁはぁ…

ラビス
こんなやつに…追いつめられるとは…

パラ紗奈
ラビくん…!!

ラビス
はあはあ…ぅ…

ラビス
…く、そ…呼吸が…できない…

パラレル紗奈の方を見るラビス。

ラビス
…紗奈ちゃん。悪いけど契約は破棄だ。…僕は魔界に帰る

パラ紗奈
え…まって…ラビく…

ラビス
…じゃーね

ふっと消えるラビス。

パラ紗奈
ラビくん…!!

辺り一帯を取り巻いていた黒の気配が消える。

パラ紗奈
……うっうっ…

パラレル紗奈は、メソメソと泣いていた。

その姿は、とてもよわよわしくみえた。

 

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