2-22

体を持ち上げられ、

どこかの冷たい床に降ろされる。

そして目隠しや口に付けられていた何かが外されると、

あごをくいっと持ち上げられた。

紗奈
(何…?顔を見ているの…?)

こわさのあまり、思わず顔を背けそうになる。

紗奈
(だ、だめ…寝てるふり…)

あごをくいっと持ち上げた”誰か”は私から手を離すと、

ガサゴソと荷物をあさりだした。
…手元がキラリと光る。
私はゴロゴロと転がり、不格好によけた。

起きていたのか…

男性の…低い声…
顔は隠している。

転がって、少し離れてみたものの、手足を縛られている以上、

逃げ出すことも出来ない…。

心臓は激しく音をたてていた。

 

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