その後…。
４日ほど熱に浮かされ、迎えた５日目の朝。
ずっと寝たきりだったこともあり、体の方はだいぶ楽になっていた。
カナト
熱、下がったね、よかった…
紗奈
うん。大分元気になった
カナト
…どうする…？家に帰る…？
紗奈
え…？
紗奈
まだ、帰りたくないな、なんて…
カナト
…ずっとここにいてもいいよ
紗奈
え、え…
紗奈
カナトさん…おかしいままだ…
カナト
…おかしいかな…？
カナト
きっと、多分、こっちの方が本当の俺…だよ
紗奈
本当の、カナトさん…？
紗奈
……
カナト
……
紗奈
……
紗奈
そういえばカナトさんていくつなの…？大人っぽく見えるけど…
カナト
ん…ここでいうと、２３歳くらいかな…
紗奈
２３歳…
紗奈
（なんと…６つも上だったのか…。子供扱いされるはずだ…）
紗奈
（すっごいお兄さんだったんだな…）
紗奈
……
紗奈
あ、あの、あのね、カナトさん…
カナト
ん…？
紗奈
もし、時間が空いてたら、一緒にあの町の様子を見に行きたいんだけど…
カナト
……
カナト
病み上がりだけど大丈夫？
紗奈
うん、ずっと眠りっぱなしだったし、むしろ少し体を動かしたい
カナト
そっか
カナト
それじゃあ、行こうか