3-11

気が付くと、私は白いカーテンに囲まれたベッドの上に寝かされていた。

紗奈
(ん…ここは…)

紗奈
……

紗奈
(落ちたのは…植え込みみたいなところだったから、誰かがここまで運んだのかな…)

ベッドを囲むようにひいてあったカーテンを

そっと開けて様子をうかがってみることにした。

どうやらここは、保健室らしき部屋のようだ。

そこには小学校低学年くらいの女の子1人と男の子2人がいた。

保健の先生が座っていそうな机とイスはあったが、先生は不在のようだ。

紗奈
(…ここは…どこかの…学校…?)

紗奈
(…どうしよう…?いるのは全然知らない子たちだし…)

男の子
あーっ!!

小学生くらいの男の子1人と目が合い

その子が声をあげる。

男の子
お姉さん大丈夫?

女の子
今、せんせー呼んできてあげるね

小学生くらいの女の子が

バタバタと部屋を出て行こうとする。

紗奈
あーまってまってっ。私、大丈夫だから、せんせー呼ばなくて大丈夫だよ

女の子
…そう?

紗奈
うん

男の子
それじゃあさ、お姉ちゃんお腹減ってない?

女の子
いま3人でお腹減ったねーって言ってたんだ

男の子
大丈夫そうなら、一緒にご飯食べに行こうよ

紗奈
(あ、そういえば朝から何も食べてないんだよね…。どうしようかな…)

紗奈
えっと…

男の子
…んー…。動けないなら、何かここに持ってきてあげようか?

紗奈
あ、ううん。一緒に、行こう。全然動ける…と思うから

男の子
それじゃいこういこう!

実は少し体が痛かったのだが、

保健の先生とかがやってきて、あれこれ聞かれるのもまずい。

…どうみても私はこの学校の部外者だからだ…。
不審者として扱われてもおかしくない。

紗奈
(と、とりあえず大人がやってくる前に、ここから離れなければ…)

 

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