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カナト
紗奈ちゃん、紗奈ちゃん…。大丈夫…?

目を覚ますと、カナトさんが心配そうに私を見つめていた。

紗奈
あっ…カナトさん…

紗奈
うぅ…会いたかったよぉ…

うるうると瞳に涙をためて思わず抱きついてしまう。

紗奈
(…だってこれ夢だよね…)

紗奈
(目が覚めたらカナトさんが介抱してくれてるなんて…)

カナト
大丈夫?紗奈ちゃん…

カナト
どこか強くうったとこ、ない…?

紗奈
……

次第に意識がはっきりしてくる。

カナトさんがやけにリアルだ。

思わずふにふにと触ってしまう…。

カナト
紗奈ちゃん…?

カナト
あの…くすぐったいんだけど…

ちょっと顔を赤くするカナトさん。

紗奈
カ、カナトさん…!

紗奈
ま、まさか、夢じゃないの…!?

カナト
夢じゃないよ

クスクスと笑うカナトさん。

紗奈
ご、ごめんなさいっ…私、意識がもうろうとしてて…

カナト
ん、気が付いて、よかった

カナト
中々目を覚まさないから心配してた

紗奈
わ、わたし…

カナト
いきなり木の上から落ちてきてびっくりしたよ。どこか、痛まない…?

紗奈
だ、大丈夫です…い、いまのところ…

カナト
そう、よかった

紗奈
(木…の辺りからおちてきたのか…。そういえばそうだったような気が…)

紗奈
(落ちてきたとき、スカートとかめくれてなかったよね…。グス…)

紗奈
(はぁ…。なんだかカナトさんには変なところばかり見られているなぁ…)

 

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