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カチャっと玄関の扉があく音がする。

私はパタパタと小走りで玄関に迎えにいった。

紗奈
おかえり、カナトさんっ

カナト
紗奈ちゃん…

カナト
ただいま

カナトさんは、にこっとほほ笑んだ。
カナトさんの手をとって、台所のテーブルに案内する。

紗奈
カナトさん、ケーキできたよ

カナト
あ、ありがとう…

ケーキを作っていたことは当然知っていたはずなのに、

何故か顔を赤くするカナトさん。

カナト
…紗奈ちゃんの手作りケーキを食べる日が来るとは、思ってなかったな…

紗奈
…一生懸命作ったから、よろこんでもらえると嬉しいな

カナト
…うん

カナトさんはケーキをパクッと一口…。

紗奈
(まずそうに食べてたら、私、倒れてしまうかも…)

そんな私の視線を感じたのか、カナトさんが顔をあげ、にこっと微笑む。
カナト
おいしいよ、紗奈ちゃん

カナト
ありがとう、わざわざ作ってくれて

紗奈
う、うん!

紗奈
(よかった!おいしいって言ってもらえた!えへ…えへへ…)

紗奈
カナトさん…大好き…

私はカナトさんに、そっと抱きついた…。

 

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