ふっ…と意識を取り戻すと、体中がいたい。
背中にはごつごつとした冷たい床の感触。
まぶしい光に、
私はゆっくりと目を開ける…。

すると…

私は真冬だというのに絨毯一つない床の上に、転がるように寝ていた。
ベッドも、家具もなにもない部屋に…。

そして驚いたことに…なんと
そこは自分の部屋だった。

ゆっくりと立ち上がる。
まわりを見渡すと、やっぱり私の部屋には間違いない。
…が、見慣れた家具も、洋服も、本も、何もかもが…なくなっていた。

あまりの出来事に頭がついていかない。

もう一度がらんとなってしまった自分の部屋を見渡す。
…やはりこうなってしまった理由がさっぱり分からない…。

夢…でもない。

なんなんだろう…この状況は…。

今度はわたわたと混乱が襲ってくる。

…しかし携帯電話は見つからなかった。
そしてバッグも…財布も…。

ぐぐーっと鳴るお腹の音。

途方にくれる私。

そう思い立ち
外に出ようとするが…

…靴がない…。

辛うじてスリッパははいていたので、
それで外に出ることにした。

泣きそうになりながらも
幸い近所だった大家さんの家に
こそこそと向かうことにしたのだった…。

 

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