あれから数日後。
私は自分の部屋のイスに座り、机に肘をついて、ぼんやりと考え事をしていた。
紗奈
(ふぅ…なんだか再会してから、カナトさんのことばっかり考えてるなぁ…。また、会いたいな)
紗奈
(…それにしても、どうして会ったばかりなのに、こんなに気になるんだろ…。やっぱり、好き…なのかな…)
紗奈
(うーん…。…人を好きになるのって、理屈じゃないのかも…)
紗奈
(…カナトさんの連絡先…。一応持ってるんだけど…。…あの事件の時に渡された電話番号)
紗奈
(…でも仕事上渡しただけかもしれないし、かけにくいよね…。ふぅ…)
ラビス
なんだ、そんなこと。また会わせてあげるよ
紗奈
きゃっラビ…!!きゅ、急に現れないでっ!びっくりするから
ラビス
あはっ
紗奈
し、しかも、心の中読んだでしょっ
ラビス
だってさ、紗奈ちゃんの心の中って読みやすいから♪あはは
紗奈
え、え…単純ってこと~?
紗奈
(なんだか悲しい…)
ラビス
まあそんな感じ
紗奈
うぅ…
ラビス
ところでどうする?また、カナトに会いに行っちゃう?
紗奈
う、うん…
紗奈
あ、で、でも、この前みたいに、いきなり目の前に落ちるのはちょっとあれなので…
紗奈
こう、さりげなーく近づけるような、少し離れたところがいいかな。うん
ラビス
ふーん?分かった。…じゃあさっそくいく?
紗奈
あ、まって、着替えてから…
紗奈
…ご飯も食べてないし…
ラビス
え?その服でいいじゃん。かわいいよ?
ラビス
ご飯はカナトと食べればいいしー♪
紗奈
これは普段着なの~
紗奈
それにカナトさん、一緒にご飯食べてくれるかどうか分かんな…
ラビス
大丈夫大丈夫。それ、カナトの元に、レッツゴー!
ラビス
3・2・1
紗奈
わーんまってってばーっ!!
…静止の声もむなしく、私はそのまま瞬間移動した…。
そしてまたもや瞬間移動した先は、空中だった…。
紗奈
(わーん…ラビのばかー…)
…今度は”ボスッ”と、どこかの植え込みに突っ込んだなと思うと、
私の意識はそこでぶっつりと途絶えた…。