3-10

あれから数日後。

私は自分の部屋のイスに座り、机に肘をついて、ぼんやりと考え事をしていた。

紗奈
(ふぅ…なんだか再会してから、カナトさんのことばっかり考えてるなぁ…。また、会いたいな)

紗奈
(…それにしても、どうして会ったばかりなのに、こんなに気になるんだろ…。やっぱり、好き…なのかな…)

紗奈
(うーん…。…人を好きになるのって、理屈じゃないのかも…)

紗奈
(…カナトさんの連絡先…。一応持ってるんだけど…。…あの事件の時に渡された電話番号)

紗奈
(…でも仕事上渡しただけかもしれないし、かけにくいよね…。ふぅ…)

ラビス
なんだ、そんなこと。また会わせてあげるよ

紗奈
きゃっラビ…!!きゅ、急に現れないでっ!びっくりするから

ラビス
あはっ

紗奈
し、しかも、心の中読んだでしょっ

ラビス
だってさ、紗奈ちゃんの心の中って読みやすいから♪あはは

紗奈
え、え…単純ってこと~?

紗奈
(なんだか悲しい…)

ラビス
まあそんな感じ

紗奈
うぅ…

ラビス
ところでどうする?また、カナトに会いに行っちゃう?

紗奈
う、うん…

紗奈
あ、で、でも、この前みたいに、いきなり目の前に落ちるのはちょっとあれなので…

紗奈
こう、さりげなーく近づけるような、少し離れたところがいいかな。うん

ラビス
ふーん?分かった。…じゃあさっそくいく?

紗奈
あ、まって、着替えてから…

紗奈
…ご飯も食べてないし…

ラビス
え?その服でいいじゃん。かわいいよ?

ラビス
ご飯はカナトと食べればいいしー♪

紗奈
これは普段着なの~

紗奈
それにカナトさん、一緒にご飯食べてくれるかどうか分かんな…

ラビス
大丈夫大丈夫。それ、カナトの元に、レッツゴー!

ラビス
3・2・1

紗奈
わーんまってってばーっ!!

…静止の声もむなしく、私はそのまま瞬間移動した…。

 

そしてまたもや瞬間移動した先は、空中だった…。

紗奈
(わーん…ラビのばかー…)

…今度は”ボスッ”と、どこかの植え込みに突っ込んだなと思うと、

私の意識はそこでぶっつりと途絶えた…。

 

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