3-32

気が付くと私はどこかの部屋のベッドで寝かされていた。

熱があるのか体が熱く、少し頭がクラクラした。

カナト
よかった…紗奈ちゃん気が付いたんだね

紗奈
カナトさん…

紗奈
町は…颯太くん達は…

カナト
大丈夫、もう問題ないよ

カナト
…巻き込んでしまって、ごめんね…

紗奈
ううん…カナトさんのせいじゃないよ…

カナト
怖い思いさせて…悪かった…

紗奈
ううん…私の方こそごめんなさい…

紗奈
…あそこにいったのは、自分の意思…なの…

カナト
…ん…

カナト
……

カナト
紗奈ちゃん、悪魔の力、使った…?

その言葉に、涙がにじんだ。

カナト
悪魔の力は、とても不安定で危ういから…。もう使っちゃダメだよ…

紗奈
…あ、あの、あのね、ラビは、そんなに悪い悪魔だと思えないの

紗奈
それでも、ダメかな…?私、だまされてるだけかな…?

カナト
いや…悪魔の全部が全部、何か人間に危害を加えるわけじゃないから…

カナト
ただこの世界の人はどうしても、悪魔が持つ大きな力に、振り回されたり、バランスを失ってしまったり、のまれてしまうから…

カナト
なるべく避けた方がいいんだ

カナト
ラビスに関しては、パラレルの紗奈ちゃんをそそのかしたこともあるし、パラレルのバランスを崩したしね…

シュウト
俺は、紗奈自身が悪魔に負けない力を身に付ければ、そうでもないと思うけどね

シュウト
まあわざわざ悪魔の力を借りなくても、紗奈が強くなればいい

シュウトくんが口をはさむ。

紗奈
え…?

カナト
…それでも、人は、うまくいってるときはいいけれど、バランスを崩しやすいから…

カナト
それに悪魔は力を隠し持っていて、いつ牙をむくか分からない

紗奈
……

 

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