紗奈
はい、どーぞ
律
わーおいしそうだな
出来上がった料理をテーブルの上に置くと、
りっちゃんは子供のように目を輝かせた。
律
なんか…感動だな…紗奈の手料理が食べられるなんて…
律
…結局僕たち、一緒に暮らしたことは、なかったから…
そういうとりっちゃんは少しだけさみしそうな顔をした。
紗奈
ん、口に合うかどうか分からないけれど…
律
ありがとう、紗奈…
律
それじゃ、いっただっきまーす
スプーンを手にしたりっちゃんが、ビーフシチューを食べようとした、
その時、
急にりっちゃんの手が止まる。
紗奈
え、え、どうかした?
律
……
りっちゃんの視線はご飯を離れ、ベランダの方をみていた。
急に立ち上がり、りっちゃんはベランダの方へ。
そこには怪しい人影があり、
その人影は、りっちゃんの様子に気づくと、
逃げ出した。
律
…待て…!!
りっちゃんがベランダの戸を開け、人影に突進した。
人影はよろめく。
男
くそ…
人影は再び逃げだした。
りっちゃんも後を追う。
私も慌ててその後に続いた。