3-30

突然辺りに黒く重苦しい気配が漂った。

シュウト
…っと悪魔に見つかったみてえだな…

青年悪魔が3人の子供と一緒に現れる。

カナト
シュウト、紗奈ちゃんを守って

シュウト
ああ

悪魔
手こずらせてくれるじゃねーか。パトローラーさんよ

悪魔
俺様のテリトリーで、ずいぶん暴れやがって…

悪魔
ブチ殺してやるよ

カナトさんと悪魔が戦い始める。

カナトさんの方が強い。

床に倒れた悪魔を前に、カナトさんが拘束用の武器を生成すると、

悪魔の前に小学生3人が駆け寄り、立ちはだかった。

つむぎ
やめて!ベアル様を殺さないで!

颯太
俺たちの願いを叶えてくれたんだ

つむぎ
つむぎのパパたち、帰ってきてくれたの、ベアル様のおかげなの

カナト
……

カナトさんは、手にしていた武器の動きを止めた。

ベアル
おおっと、優しいパトローラーさんは、人間の子供に弱いねぇ…

ベアル
…そうそう、初めて会った時、こいつら死にそうな顔してたんだぜー?

ベアル
こいつらの幸せを奪う権利がお前らにあるのかぁ?

カナト
…その子たちの魂を削ってこの世界を維持しているだろう。その子たちの魂はもうボロボロだ

カナト
このままじゃ魂が摩耗してその子たちが消滅してしまう

ベアル
は、本人が望んで俺に魂を差し出してきたんだよ

ベアル
俺はこいつらの望みを叶えてやっただけだ

カナト
人の弱みに付け込んで…許せない…

シュウト
カナト!

シュウトくんが何か呪文を唱えると、子供達はぴたりと止まり、動けなくなった。

 

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