”キキーィ”
そこに急なブレーキ音。
車は、私たちのかなり近くまできていたが、
私たちの体に触れることなく、急停止した。
紗奈
え…?
律
……とま…った…?
紗奈
(なに…?なにが起きたの…?)
男が…車から出てくる。
紗奈
……!
私は男を睨んだまま警戒態勢に入った。
男
クスクス。僕だよ僕~ラビだよ
ラビス
律も紗奈ちゃんも危なそうだったから、こいつの体をのっとって車を止めたよ~。あはは
ラビス
僕がいて、よかったね、紗奈ちゃん♪
目の前の男は急に笑顔になり、そう言った。
紗奈
え?ラ…ビ…?
ラビス
うん、そう、ラビ
紗奈
……
私はほっとしたのか体中の力がぬけ、
その場にへたへたと座り込んだ。