3-20

ふと窓の方をみると

外はもう真っ暗だった。

あ、もう外真っ暗だね

紗奈
…うん…

つむぎ
…お姉ちゃん、喉乾いてない?ジュース、持ってきてあげようか?

紗奈
あ、うん…カラカラ、かも

つむぎ
紬の好きな桃ジュースでいい?

紗奈
うん

しばらくすると、紬ちゃんがコップを片手に、部屋に戻ってきた。
つむぎ
はい、どうぞ

紗奈
ありがとう

私はベッドによしかかったまま、

差し出されたジュースをゴクゴクと飲んだ。

紗奈
……?

紗奈
(あ…れ…。…なんか、変わった味…)

紗奈
……

つむぎ
おいしくない?お姉ちゃん

紬ちゃんが聞いてくる。
紗奈
ん、いつも私が飲んでる桃ジュースとちょっと違うから、少しびっくりしただけだよ

つむぎ
…そう

紗奈
(初めて飲む物って、最初はよく分からない味がしたりするもんね)

もう一口飲んでみる。
紗奈
……

紗奈
(うーん…なんだろ…なんだか慣れない…)

紗奈
(気のせいかな…舌がピリピリする…ような)

お姉さん、からだ、辛い…?

蓮くんが聞いてくる。
紗奈
……?

つむぎ
ごめんね、お姉ちゃん

つむぎ
つむぎ、そこにちょっとだけ、しびれ薬いれちゃった

紬ちゃんの声。
紗奈
(え…なに……。今、なんて…)

紗奈
ど…いうこと…?

颯太
たまにね、この町に迷い込んできちゃう人いるんだよね

颯太くんの声。
紗奈
……?

紗奈
(何か冷たい響きだ…)

次の瞬間私は自分の体を支えきれなくなり、

ベッドの方にガクッと沈み込んだ。

紗奈
……

あ、効いてきたみたい

……。蓮、あれ、持ってきて

うん

紗奈
(な…に…どういう…こと…?)

蓮くんが何かを机の引き出しから取り出す…。

蓮くんの手には黒いダガーが鈍い光を放っていた。

 

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