紗奈
(ふぅ…困っちゃったな…)
なにがなんだかよくわからないまま、
私は当てもなく小学校周辺をぶらぶらとうろついていた。
紗奈
(…どうしよう、だいぶ日も暮れてきちゃったし…)
紗奈
(カナトさんも…見つからないし…。グスグス…)
つむぎ
あれ?お姉ちゃん…?
紗奈
…!
声をかけてきたのは
昼間にあった小学生の子達だった。
紗奈
紬ちゃん、颯太くん、蓮くん…
蓮
どうしたの?…泣いてるの?
紗奈
(わ…小学生の子に泣いてるとこ見られるなんて、恥ずかしい…)
ごしごし、と目をこする。
蓮
なんか、悲しいことでもあった…?
紗奈
んっ…バスも電車もこなくて、どうしようかなーって…
紗奈
…この町って一体どうなってるの…?
つむぎ
え…お姉ちゃん…この町の人じゃなかったの…?
紗奈
え、う、うん…
紗奈
(なんだろ…今一瞬だけこわい感じが…)
つむぎ
じゃあうちにおいでよ、ね?
にこっと笑う紬ちゃん。
紗奈
(ん…気のせい…だよね…)
紗奈
行っていいの?
つむぎ
うん、おいでおいでー
そんな感じで私は子供達の家へと一緒に向かうことになった。