蓮
待って、お姉さん大丈夫だから。死ぬわけじゃないから
追いかけてくる子供達。
つむぎ
…逃がさないよ
子供達が、宙に浮いて飛びかかってくる。
私は、それを振り払った。
…子供達の誰かが不気味な音色の口笛をふくと、
どこからともなく大人達が、
まるでゾンビのようにぞろぞろとやってきた。
颯太
そのお姉ちゃんをつかまえて
颯太くんの声に反応した大人たちは
私の腕をがしっとつかむと、羽交い絞めにして動けなくした。
紗奈
……!
颯太
これで、動けなくなったね
蓮
大丈夫、怖くないよ
蓮
お姉さんも、この町の住人に…なるだけだから
蓮くんは、再び、黒いダガーを私に振り下ろそうとした。
紗奈
(もう…だめ……)
私は思わず目をぎゅっとつぶる…。
突然ドンッと激しい音と衝撃を感じると、
私を羽交い絞めにしていた大人たちの手が緩んだ。
紗奈
……?
そっと目を開けると、
蓮くん達や大人達は突然意識を喪失しパタパタと倒れていった。
紗奈
……?
紗奈
(何が…起こったの…?)