3-22

待って、お姉さん大丈夫だから。死ぬわけじゃないから

追いかけてくる子供達。

つむぎ
…逃がさないよ

子供達が、宙に浮いて飛びかかってくる。

私は、それを振り払った。

…子供達の誰かが不気味な音色の口笛をふくと、

どこからともなく大人達が、

まるでゾンビのようにぞろぞろとやってきた。

颯太
そのお姉ちゃんをつかまえて

颯太くんの声に反応した大人たちは

私の腕をがしっとつかむと、羽交い絞めにして動けなくした。

紗奈
……!

颯太
これで、動けなくなったね

大丈夫、怖くないよ

お姉さんも、この町の住人に…なるだけだから

蓮くんは、再び、黒いダガーを私に振り下ろそうとした。

紗奈
(もう…だめ……)

私は思わず目をぎゅっとつぶる…。

 

突然ドンッと激しい音と衝撃を感じると、

私を羽交い絞めにしていた大人たちの手が緩んだ。

紗奈
……?

そっと目を開けると、

蓮くん達や大人達は突然意識を喪失しパタパタと倒れていった。

紗奈
……?

紗奈
(何が…起こったの…?)

 

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