蓮
お姉さん、大丈夫だから…じっとしてて…
蓮
苦しいのは一瞬だけだから…
そういうと蓮くんは私に向かってダガーを振り下ろそうとした。
紗奈
……!
私はそのひと振りをかわす…。
颯太
あー…まだしびれが全身に回ってないみたいだね…
紗奈
ど、うして…
颯太
どうしてって…
つむぎ
……
ふと、辺りの様子が目に入る。
…さっきまでのかわいらしい雰囲気とは一変し、
部屋は足元から…
まるで火で燃えたように真っ黒に崩れ落ちていった…。
紗奈
……!
紗奈
(なに…これ…)
紗奈
……
紗奈
(…逃げなきゃ…。完全に、動けなくなる前に…)
立ち上がる私。体がピリピリする…が…。
紗奈
(…大丈夫、まだ動ける)
私は玄関に向かって走り出した。