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紗奈
りっちゃん

紗奈

紗奈
久しぶり

りっちゃんこと成瀬律くんは…笑うとかわいい。
りっちゃんは幼馴染の男の子だ。
今は離れて暮らしているけど、
ずっと…ずっと変わらない、仲のいい友達。

私、星崎紗奈、17歳。

どうしても叶えたい夢の為、
中学を卒業したあと、地元の京都を出て、
東京で一人暮らしを始めた。

今日は京都からわざわざ会いに来てくれた

りっちゃんと、東京観光をした。

久しぶりに会ったから、いろいろな話題で盛り上がったんだ。

変わらないりっちゃんの笑顔に
東京でちょっとだけホームシックにかかっていた私は、
とても癒された。

辛くなったらいつでもこっちに、戻ってきていいんだからな

紗奈
うん…ありがとう、りっちゃん

りっちゃんはそういうと新幹線に乗って帰っていった。
りっちゃんの瞳は少しだけ…潤んでいた気がした。

紗奈
はー今日はりっちゃんに癒されまくっちゃったな

紗奈
これからも、夢に向かって、がんばろーっと

そんな前向きな言葉をはきながらベッドに飛び込む。
さあ寝ようか、そう思ったとき。

紗奈
(え、あれ…なに…?)

見慣れた私の部屋の隅に何かもくもくと黒い雲のようなものがみえる。
紗奈
(疲れ…てるのかな?)

紗奈
(楽しかったけれど、今日はかなりいろいろまわって、はしゃぎまくったからな)

そう考えて、今みた光景を意識の外においやろうと思った…その時。
黒い雲は瞬く間に大きくなり、私のまわりをたちまち覆い尽くした。

紗奈
(え、なになに…なんなの!!??)

紗奈
(息苦し…)

…急に体中の力が抜け、まるで魂が吸い取られていくような感覚に襲われた。

私はそのままガクッと…倒れるように…
意識を手放してしまった…。

 

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